きみとベッドで【完結】


「まだ先生、前と同じケータイ使ってる?」


「……ああ」


「じゃあおそろいだね」



あたしが以前使っていたケータイは、


レンタルロッカーの壁に叩きつけた時に壊れてしまった。


だから新しいのを買う時に、先生が使っていたものと同じ黒いケータイにした。



これも手段のひとつだ。


ストラップ1つついていないケータイをしまって、あたしは2人の顔を交互に見た。



「じゃああたし帰るね。2人とも、明日からよろしく」



先生も姫衣も、まだまだなにか言いたげな顔をしていたけれど、


2人ともなにも言わなかった。



だからあたしは構わず笑顔で、小さな音楽室をあとにした。









< 185 / 339 >

この作品をシェア

pagetop