きみとベッドで【完結】





始業式の日。



夜にケータイに電話がかかってきた。


相手は知らない番号で、出ると少し落ち着いた耳になじむ声が聞こえた。



『こんばんは、先生』


「シキ……」


『いま家? ちゃんとご飯食べた?
コンビニ弁当ばっかりじゃダメだよ』



ちょうどその時俺はコンビニ弁当を食べていたところで、


なんとなくバツの悪い気分になった。



「なんでこの番号を知ってる」


『教えてくれたのは先生でしょ』


「前は1度もかけてきたことがなかっただろ」


『うん。……でも、覚えてたんだよ』



なぜ、そんなことを言うのだろうと


腹は立ったが、少しうれしく思う自分もいた。



生徒と個人的に電話をするなんて、


あってはならないと思うのに。



どうしても、彼女を生徒と思うことができず。

< 190 / 339 >

この作品をシェア

pagetop