きみとベッドで【完結】
始業式の日。
夜にケータイに電話がかかってきた。
相手は知らない番号で、出ると少し落ち着いた耳になじむ声が聞こえた。
『こんばんは、先生』
「シキ……」
『いま家? ちゃんとご飯食べた?
コンビニ弁当ばっかりじゃダメだよ』
ちょうどその時俺はコンビニ弁当を食べていたところで、
なんとなくバツの悪い気分になった。
「なんでこの番号を知ってる」
『教えてくれたのは先生でしょ』
「前は1度もかけてきたことがなかっただろ」
『うん。……でも、覚えてたんだよ』
なぜ、そんなことを言うのだろうと
腹は立ったが、少しうれしく思う自分もいた。
生徒と個人的に電話をするなんて、
あってはならないと思うのに。
どうしても、彼女を生徒と思うことができず。