きみとベッドで【完結】
さみしがりな部分は彼女の本質にちがいない。
俺はそう思った。
「ひとり、なのか?」
『うん。転校するのと同時に、ひとり暮らし始めたの』
「高校生の女子がひとり暮らしって、大丈夫なのか。よく親が許したな」
隣りのクラスの担任から聞いたのだが、
シキ……名取織羽の家は名家で、名取グループという大きな企業を経営している。
つまり彼女は血統書つきのお嬢様。
箱に入れられていたっておかしくないだろう。
それなのに、
ひとり暮らしをしたり
夜の街を遊び歩いていたり
男の家を泊まり歩いていたり。
どうなっているのだろう。
『あたしは放任されてるの』
「信用されてるってことか?」
『ちがうよ。見放されてるんだよ』
軽く言うシキに、俺はますます混乱した。