きみとベッドで【完結】
俺はすぐに答えることができなかった。
シキへの気持ちはまだ確かにある。
けれど……
『それとも、同じ条件ならやっぱり姫衣を選ぶ?』
同じ条件なら。
そうだ。
それをはじめからわかっていたら、
俺はきっとシキに本気になることはなかっただろう。
体を重ねることも、なかったはずだ。
けれどもう遅い。
何度も俺はそう、自分を責めている。
「もう浅倉とおまえは、同じ条件にはなりえない」
なぜなら俺はもう、シキの体を知ってしまったから。
ベッドの中の彼女が愛しいものだと、知ってしまっていたから。
『……相変わらずまじめだね』