きみとベッドで【完結】

柔らかく、洗いたてのいい匂いがした。


目を開けると、視界は真っ白。



「……ハンカチ?」



つかみ上げると、それは白いハンカチだった。


なぜハンカチなんか……




「あれ。生き返った?」




突然上から降ってきた声に驚く。


すぐそばの窓から


シキ……名取織羽が顔を出して、俺を見下ろしていた。



「死んだみたいに眠ってるから、ハンカチかけちゃった」


「……勝手に殺すな」



腹筋を使って起き上がる。


携帯灰皿を出して、すぐに煙草の火を消した。



「別に吸ってても、告げ口なんてしないよ」


「そうしてもらえると助かるよ。……なんで俺がここにいるとわかった?」


「わかってないよ。先生を探してたわけじゃないし」



にやりと笑うシキに、


俺はまた頭痛が戻ってくるのを感じた。

< 199 / 339 >

この作品をシェア

pagetop