きみとベッドで【完結】
柔らかく、洗いたてのいい匂いがした。
目を開けると、視界は真っ白。
「……ハンカチ?」
つかみ上げると、それは白いハンカチだった。
なぜハンカチなんか……
「あれ。生き返った?」
突然上から降ってきた声に驚く。
すぐそばの窓から
シキ……名取織羽が顔を出して、俺を見下ろしていた。
「死んだみたいに眠ってるから、ハンカチかけちゃった」
「……勝手に殺すな」
腹筋を使って起き上がる。
携帯灰皿を出して、すぐに煙草の火を消した。
「別に吸ってても、告げ口なんてしないよ」
「そうしてもらえると助かるよ。……なんで俺がここにいるとわかった?」
「わかってないよ。先生を探してたわけじゃないし」
にやりと笑うシキに、
俺はまた頭痛が戻ってくるのを感じた。