きみとベッドで【完結】

唇が唇をかすめる距離。


そんなゼロ距離できみは囁いた。




「本当に……?」




なにも答えられずにいると、


俺を惑わす黒猫の微笑みを見せて


きみは俺にくちづけた。



柔らかく、俺の脳の隠れたスイッチを入れるシキの唇。



もっと、もっと深く味わいたい。



一瞬そんな欲望にかられたが、




「ん……シキ……っ」



理性を総動員して目の前の体を引きはがそうとしたけれど。


俺の抵抗に、シキはますますキスを激しくする。



熱い舌の動き


乱れる呼吸


懐かしい味。



だめだ だめだだめだだめだ!



やめろ、俺!!



頭でそう叫んだと同時に、



俺は彼女の頭を強く引き寄せた。






頭痛が、消えた気がした。

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