きみとベッドで【完結】
けれどいきなり
シキにどんと胸を押し返されて。
驚いて見上げると、
シキは体を起こし、窓から俺を笑顔で見降ろしていた。
濡れた唇に目がくぎづけになる。
「嘘つき」
突き放すように言って、シキはきびすを返しいなくなった。
しばらく俺は呆然となり動けずにいたが、
聞こえてきた足音にはっとして、
シキと同じように濡れていた自分の唇を奪った。
「あ。いたいた。やっぱりサボってましたね。こんなところで煙草なんて吸って」
現れたのは浅倉だった。
長い髪を耳にかけながら、俺のすぐ目の前に立つ。
「教頭先生に言っちゃいますよ?」
無邪気に笑う浅倉。
なぜ、こんなに違うのだろうと思った。