きみとベッドで【完結】
浅倉は俺の横に腰を下ろそうとして、
けれど俺が膝に置いていたハンカチを見て動きを止める。
「……誰かいたんですか?」
俺はハンカチをたたんでポケットにしまう。
「いや、別に」
「もしかして……オルハ?」
女は子どもでも鋭い生き物なのか。
俺は内心舌を巻きながら、黙って煙草に火をつけた。
舌になじむ苦味が心を落ち着けてくれる。
それと同時に、舌に残るシキの感触が消えていく。
「先生、本当はオルハとどういう知り合いなんですか?」
強い口調で聞いてくる浅倉。
そんなに、いとこの存在を気にするものなのだろうか。
それとも関わっているのが、俺だからか。