きみとベッドで【完結】
浅倉は必死な様子で俺を見上げた。
「本当はあの日、オルハと一緒だったんじゃないですか?」
「……なんでそう思う?」
「だって、その日は……」
弱々しく呟いたきり、浅倉は黙りこむ。
まるで口にすることが
おそろしいとでもいうように。
「だったとしたら、どうする? 教頭あたりに言うか?」
いっそ言ってくれればいいと思う。
俺とシキの以前の関係がバレて、
俺は教師を首になり……
自由になる。
そうすればきっと踏ん切りがつく気がした。
鈍い頭痛からも解放されるだろう。
だったら自分から潔く辞めればいいだけの話なのだが、
愚かな俺はそれができない。