きみとベッドで【完結】
けれど幹生が帰ったあと。
ひとりでカーテンをつけてベッドにシーツをかけたところで、
色々面倒になって片づけをやめてしまった。
「そんなことよりって、ひどい」
「ひどいのはどっちだか。それで俺にまた片付けさせるために呼んだんでしょうが」
食器など細々したものを片付けながら文句を言う、面倒見のいい男。
本当に変なやつ。
「わかってるなら来なきゃいいのに」
「またそういうかわいくないこと言う」
やれやれって頭を振って、
幹生は鏡の前のあたしを、うしろから抱きしめた。
鏡越しに目が合う。
進路のことで学校に行っていたらしい幹生も、制服を着ていた。
鏡に映るあたしたちは、普通の学生のカップルみたい。
「似合ってるよ。かわいい」
耳に寄せられた薄い唇。
くすぐったくて身をよじると、
そのまま甘噛みされてぞくりとした。