きみとベッドで【完結】
「うちの制服もいいけど、俺は前の制服の方が好きかな」
「ふーん」
「いやみじゃないよ? おまえには黒が似合う。赤いリボンもね」
有名な昔のアニメ映画に出てくる黒猫みたいだって、
幹生はあたしの制服のタイを外しながら言った。
「次は前の制服着てほしいな」
「なんで?」
「脱がせてみたい」
「バカじゃん」
ふざけた言い方がおかしくて、笑いながら長い腕から抜け出す。
幹生も笑っていた。
あたしはもう何度、
この男の笑顔に救われてきただろう。
きっと
数えきれない。