きみとベッドで【完結】
つかめる物はなんでも投げた。
なにかが割れる音がしたけれど、
それがなにかなんて確認する余裕はなくて。
ただ、ただ必死だった。
けれど、
「いいかげんにしろ! また殴られたいか!!」
腕をつかまれ、そう間近で叫ばれた瞬間。
がくがく震える膝が折れ、
あたしはずるずると
その場にへたりこんだ。
「そうだオルハ。おまえはおとなしく俺に従えばいいんだ」
また無気味な笑みを浮かべて
男があたしの制服の胸元をつかむ。
震えすぎて、歯がかちかちと情けなく鳴る。
不快しか感じない笑顔から、視線すら外せなくなって
またあたしは自分の中で、大切なものをあきらめそうになった時。
目の前の恐怖の塊が横にふき飛んだ。