きみとベッドで【完結】

あたしはきっと、


誰かのいちばんになんてものにはなれない。



だからあたしは、幹生の親友でいい。


充分すぎるくらいだ。



「ありがとう、幹生」


「どういたしまして?」



ふたりで笑い合って、


いいかげん視線が痛すぎるから、もう教室へ行こうとした時。



廊下の向こうに、先生が立っているのが見えた。


10数メートル先からあたしたちを、


あたしを、


じっと見ていた。



交差する視線。



動けない。




「……シキ。行こう」



気づいた幹生があたしの肩を抱いて、歩いてくれなかったら、



あたしは彼のもとへ



駆けだしてしまっていたかもしれない。












_______
_____
< 227 / 339 >

この作品をシェア

pagetop