きみとベッドで【完結】
あたしはきっと、
誰かのいちばんになんてものにはなれない。
だからあたしは、幹生の親友でいい。
充分すぎるくらいだ。
「ありがとう、幹生」
「どういたしまして?」
ふたりで笑い合って、
いいかげん視線が痛すぎるから、もう教室へ行こうとした時。
廊下の向こうに、先生が立っているのが見えた。
10数メートル先からあたしたちを、
あたしを、
じっと見ていた。
交差する視線。
動けない。
「……シキ。行こう」
気づいた幹生があたしの肩を抱いて、歩いてくれなかったら、
あたしは彼のもとへ
駆けだしてしまっていたかもしれない。
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