きみとベッドで【完結】
「なんでもありません」
それだけ言って席に戻る彼女。
残りの授業はうつむいたまま、1度も顔を上げることはなかった。
「授業はここまで。じゃあ今日の日直、プリント集めて持ってくるように」
このあとは昼休みだ。
そういえば、シキは昼飯をどうしているのだろう。
自分で弁当を作ってきているのだろうか。
教室を出る前、彼女のを振りかえってみたが
シキはうつむいたままの姿勢で固まっていた。
本当に、体調が悪いのではないかと
少し心配になった。
シキは自分のことを大切にするタイプではない。
どちらかというと、俺には自分で自分を傷つけて生きているように見える。
ひとり暮らしはやはり、向いていないのか。
そう考えると、胸がきりりと痛んだ。