きみとベッドで【完結】
職員室に戻ってかかってきていた電話を折り返していたら、
誰かが横に立った。
顔を上げるとそれはシキで、
俺は危うく持っていた受話器を落としそうになった。
いささか強引に通話を終わらせる。
「どうした?」
「どうしたって……プリント。集めてきました」
「プリント? ああ……」
どうやら日直は彼女だったらしい。
偶然に戸惑っていると、シキは頭を下げてさっさと職員室を出ていってしまった。
いつもの彼女なら、なにかまた俺を困らせるようなことでも言って、
からかってきそうなものを。
どうにも様子がおかしい気がして、
俺はシキを追いかけた。
すぐに追いつき、細い腕をつかむ。
折れてしまいそうな細さに、ぎくりとした。