きみとベッドで【完結】

すぐそのあとを、


浅倉が追いかけ出ていく。



しんと静まり返る音楽室。


残されたメンバーたちが顔を見合わせた。



「なんか……」


「名取さんて、ちょっと感じ悪い?」


「やっぱオジョーさまだしねぇ」


「朝、茅島先輩と一緒にいたって話、ほんとか聞きたかったんだけどなー」


「で。先生、さっき3人でなに話してたんですか?」



メンバーたちに見おろされ、


俺ははっとして立ち上がり、咳ばらいする。


それまで完全に蚊帳の外だった。



「別に。世間話してただけだ」



それ以上追及される前に、


俺は逃げるように音楽室を出た。



職員室に戻ろうと階段の手すりをつかんだ時、


下の方から浅倉の声がして立ち止まる。


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