きみとベッドで【完結】
自分の部屋にいるのがこわくて。
またあの男が来るんじゃないかと考えたら、震えが止まらなくて。
先生や姫衣の前で冷静でいられる自信がなかったから、
あたしは幹生のところに逃げこんだ。
でも、この男は油断したらすぐ体に触れてくるから。
キスをしたりなめてきたり、際どいところをくすぐってきたり。
女に不自由なんてしていないんだから、少しの間くらいがまんしてくれればいいのに。
でも、幹生の体温は心地よくて。
本気で邪険にはできないからもっと困るんだ。
「じゃあもう大丈夫なの?」
「……うん。ありがとう」
「なにかあったらいつでも呼ぶんだよ」
「うん。わかってる」
電車でマンション近くの駅に移動する。
ドアのガラスに映る自分は不安げだ。