きみとベッドで【完結】
なんとなく足取りが軽かったのは、
きっと女に誘われてでもいたからだ。
あたしが居座っていた3日も、ひっきりなしに連絡がきていたようだから。
幹生を見送って、改札を出る。
先生は駅を出てすぐの歩道に立っていた。
なにかメモを真剣に見ている。
「なんだ。あたしの家の住所か」
手元をのぞきこんだら、
先生はぎょっとしたように身を引いた。
「シキ!?」
「こんばんは先生。こんなところでなにしてるの?」
仕事帰りにそのまま来たんだろう。
スーツ姿でバッグを持って。
いつものように黒い髪を流してセットしている先生。
でもその顔は教師のものじゃないね。
あなたがあたしを見る目は、
いつだって“オトコ”だった。