きみとベッドで【完結】

◆泡沫‥‥side ANDO

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シキの父親がとんでもない男だと発覚した次の日。


シキは学校を休んだ。



何度電話をかけようとしたか。


何度彼女のマンションへ行こうとしたか。


しかしそのたび、茅島にすがりついて泣くシキの姿が頭に浮かんで、


俺の衝動を押しとどめた。



茅島幹生もその日シキと同じように欠席だと知り、


俺はしなくてもいい想像をしていらだちをつのらせた。



まさかあのジャズバーでシキと親しげにしていた男が、


うちの学校の生徒だったとは。




「アンドレも心配しなくていいよ。あの男にはきつめに脅しをかけておいたから。
ヤクザに脅されて監視までされたら、さすがにあのクソおやじも動けなくなるよ」



シキを抱いてなだめながら、茅島はそう言って。


挑発的に薄く笑っていた。

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