きみとベッドで【完結】
彼女は俺のことを多少なりとも愛してくれていて、
それと同じか、もしかしたらそれ以上に
俺のことを憎んでいるのだ。
憎まれる理由はわからない。
だがそう思うと妙に納得できた。
「先生おはようございまーす」
「アンドレおはよー!」
次々に声をかけてくる生徒たちに適当に返しながら、2年の教室に向かう。
今日は1限目、浅倉のクラスで授業だ。
目的の教室に入る前に、俺の足は自然と手前のクラスで止まった。
1日休んだシキだが、今日は登校している。
朝、茅島と一緒に並んで登校している姿を見たのだ。
「シキ……」
彼女は窓際の席で、頬杖をついて外を見ていた。
相変わらず見えない壁をはっている。