きみとベッドで【完結】
仕事をさぼって、俺は第2音楽室にいた。
ピアノの影に隠れて、火のついていない煙草をくわえため息。
「最近変……か」
生徒たちにも気づかれるくらい、俺の頭はひとつのことでいっぱいになっているようだ。
どうしてだろう。
どうして俺はこんなにも、シキのことを好きになってしまったのだろう。
はじめは、浅倉の代わりにして抱いていたのに。
生徒である浅倉に恋をするわけにはいかず、
同じ顔のシキで気持ちを発散させていただけなのに。
気づけば秘密の多い彼女に夢中になって。
彼女が俺をだましていたことを知っても、
24才ではなく16才だということがわかっても、
俺の気持ちは冷めることがなかった。
シキは俺を一体どうしたいのだろう。
そして俺は、シキとどうなりたいのだろうか。