きみとベッドで【完結】
「いつから……なんですか」
浅倉の声はふるえていた。
俺の袖をつかむ手も、かすかにふるえているのが伝わってくる。
「先生は……あたしのことを想ってくれてるんだって、勝手に思ってました。皆からもそんな風にひやかされたりして、その気になって。
自意識過剰ですよね」
浅倉の言葉に驚いた。
どうやら俺がこっそり抱いていた気持ちは、
周りに気づかれていたらしい。
「そうでもないさ。……正直言うとはじめのころ、生徒の中でも俺は浅倉を、特別な目で見ていた」
「うれしい……けど、うれしくない言葉ですね」
まったくだ。
なぐさめるつもりで、ひどいことを言っている。
子どもじゃあるまいし、なにをやっているのだ俺は。
自分でもあきれた。