きみとベッドで【完結】
目に涙をためて、浅倉は俺のスーツをつかむ。
「……同じ?」
「そうです! 同じなのに、なんでオルハなんですかっ?」
「言っている意味がわからない」
浅倉は唇を噛んでうつむいた。
だが俺から手を離そうとはしない。
その手をはずさせようと触れた時、
浅倉は意を決したように顔を上げた。
「同じなんです、あたしとオルハは。……双子だから」
「……は?」
双子?
誰と、誰が?
名取織羽と、浅倉姫衣が?
こんな状況で、どんな冗談だ。
笑ってしまいかけたが、浅倉が固い顔をしていたので思いとどまる。
それは確かに、俺だってはじめの頃は血のつながりを疑ったりもしたけれど……