きみとベッドで【完結】

顔を手で覆い、泣きはじめる。


それは子どものような痛々しい泣き方だった。



だが俺は浅倉をなぐさめることはできない。



それは浅倉のためでもあり、自分のためでもあるのだが。


教師としてやってはいけないことをした俺には、


生徒をなぐさめる資格はないと思ったのだ。



時計を見れば、いつの間にか昼休みの時間になっていて。


浅倉の泣き声を聞きながら、


俺は入口に落ちていた包みを拾った。



開いてみると、それは弁当箱で。


驚きながらふたをあければ、


落ちて少しくずれていたが、美味そうな手作りのおかずがつめられていた。



俺の好きな、たまご焼きもある。



「シキ……!」



音楽室を飛び出して、シキを探した。



廊下を走って彼女の教室まで行ったが、




そこには彼女の姿も、彼女の鞄もなかった。













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