きみとベッドで【完結】

俺はシキを裏切った。



はじめシキを浅倉の代わりにしていたが、


シキはそのことにはじめから気付いていたようだ。



それを利用して、俺と浅倉にショックを与えた。



彼女は俺のことを、信じたことなどなかっただろう。


それでも、俺はシキに惹かれ、本気になった。



それなのに、世間体や保身やプライドなんてつまらないことを気にし、


あげく生徒である浅倉とキスをして。



それをシキに見られ……。



自分のバカさ加減が、怒りを越えて憐れにすら思えてきた。


俺を利用して浅倉を傷つけようとしていたシキ。


同じ方法でやり返された彼女は、いまどんな気持ちでいるだろうか。



傷ついたシキに、俺の声は届くだろうか。



いまさら、彼女の心に届くだろうか。

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