きみとベッドで【完結】
床に転がっていたケータイをを耳に当てる。
「もしもし」
愛想のない声で出ると、
相手は短い沈黙のあとにくすりと笑った。
『先生、寝てたの?』
「……シキ」
『ごめんね、起しちゃった?』
「いや……起きてた。それよりおまえは、どこにいるんだ?」
火をつけたばかりの煙草を灰皿に押しつけて、
俺は背筋をぴんと伸ばした。
『心配してくれてたみたいだね。幹生から聞いた』
「茅島のところにいるのか」
『……なんでそんなにあたしのことを気にするの?』
なんで?
なんでだって?
そんなもの決まっている。
好きだからだ。