きみとベッドで【完結】
シキを好きだから心配もするし、嫉妬もする。
当たりまえのことだ。
やはり俺の気持ちはちっとも、
シキの心には届いていなかった。
「シキ、大事な話がある。会って話したい」
『そう。あたしには話しなんてないよ』
「頼む。学校に来たくないなら、俺が行くから。居場所を教えてくれ」
『先生。あたしはもう学校には行かない。辞めるの』
俺は驚いて、思わず立ち上がった。
「辞めるって……前の学校に戻るのか?」
『もう先生には関係ないことだよ』
取りつく島もないとはこのことだ。
俺は自分で思っていたよりも深く、彼女を傷つけてしまっていた。
けれど、
こうしてシキの方から電話をかけてきてくれたということは、
まだ挽回のチャンスがあるということか。