きみとベッドで【完結】
勝手にそう解釈をして、俺はキッチンに立った。
喉が異様に渇いている。
「本当に大事な話なんだシキ。今からでも会えないか。場所を言ってくれればすぐに行く」
頼む、お願いだ。
そう繰り返しても、シキはなにも言ってはくれない。
どうしたらいいのか。
困って視線をさまよわせた時、
俺の視界にあるものが入った。
わらをもつかむ思いでそれに手を伸ばす。
「じゃあ……うちに来ないか」
『……は?』
シキが電話の向こうで動揺しているのが伝わってくる。
俺は最近使っていなかったやかんを出して、水を注いだ。
「うちでゆっくり話そう。……いや、おまえは話すことなんてないんだっけな」
やかんを火にかける。