きみとベッドで【完結】
『ありがとう先生。先生の部屋で過ごした時間は、かりそめの幸せでも……楽しかったよ』
さよなら。
最後にありきたりな短い言葉で締めて、
実にあっさりとシキは通話を切った。
俺はケータイを握りしめたまましばらく茫然としていたが。
やかんがけたたましくいつまでも鳴くので、
シキの使っていたカップにココアの粉をいれてお湯をそそいだ。
自分でいれたココアはやはり、
ひどく甘くて泣きたくなった。
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