きみとベッドで【完結】
次の日の昼休み。
俺はまた茅島をつかまえて第2音楽室へと連れこんだ。
そして、
「シキの居場所を教えてくれ」
そう言って頭を下げた。
生徒に、年下に頭を下げたのははじめてだった。
だがそんな俺の初体験などどうでもいいこと。
本当に、なりふり構ってはいられないのだ。
「アンドレ、本気なんだ?」
「……遊びで頭なんて下げるかよ」
「シキの話通り、まじめだね」
「やっぱりシキはおまえのところにいるのか」
「いたよ。今朝までは」
肩をすくめ、茅島はピアノの前に立ち鍵盤に手を置いた。
長い指が、女の肌でも辿るように鍵盤を撫でる。
「そんなに睨まないでほしいなぁ。シキに手は出してないよ」
「……おまえは、あいつの恋人じゃないのか?」