きみとベッドで【完結】


「せっかちだねー。これから話すところだよ。
……でも、そのまえにアンドレ」



茅島はイスに座り、いつも細めている目を見開いて。


俺をじっと見上げた。



「あんたはシキのすべてを、まるごと受け入れる覚悟はあるかい?」




その覚悟がないなら、消えてほしい。



ぶっそうなことを感情の読めない顔で言った茅島。


俺は迷うこともなく、


1つ深呼吸をしてからうなずいた。



「……あんたを信じるよ。なんたって、シキが惚れた男なんだからね」



茅島の顔に、張りついたような笑みが戻る。



それと同時に、茅島はゆっくりとピアノを弾きはじめた。


得意ではないようで、たどたどしく。



その曲は、



“星に願いを”。



シキがジャズバーで演奏した曲だった。





俺は、シキのすべてを知りたいと願った。













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