きみとベッドで【完結】
わかっていたはずなのに。
先生ははじめから
姫衣のことが好きだった。
あたしの双子の、妹のことを。
それを利用して先生に近づいたのはあたし。
姫衣に似た顔で、先生を誘惑した。
そして、自惚れたんだ。
先生が姫衣ではなく、あたしのことを
本気で愛してくれたんだと。
ありえないと思っていたのに、
ミイラとりがミイラになっていた。
姫衣を好きになっていた先生が憎らしくて、
先生に想われている姫衣が憎らしくて、
2人を深く傷つけてやろうとしたのに……
「シキ。また飯食べてないな?」
学校から帰ってくると、
テーブルの上の皿を見て、幹生は毎回ため息をついた。
あたしはそれに、「ごめん」と毎回返すだけ。