きみとベッドで【完結】

あたしは音楽室でのあの光景を目にしてから、


ショックを受けて幹生の部屋に転がりこんでいた。


世話好きの幹生に甘え、


なにもせず幹生のベッドの上で丸くなっていた。



「なにか食べなさい。それ以上やせてどうするの。抱き心地が悪くなるでしょう」


「……食べたくない」


「じゃあスープ作るからそれだけでも飲むこと」


「……ココアが飲みたい」


「え? ココア?」


「先生がいれてくれた、ココアが飲みたい……」



枕に顔をうずめながらそう言ったら、


コツンと軽く頭を小突かれた。



「そんなにあいつがいいなら、あいつのところに行けばいいのに」


「行けるわけないでしょ……」



あんな場面に出くわしておいて。

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