きみとベッドで【完結】
「うちにいるならなにか食べること。ここに来てもう5日だよシキ」
5日……
そんなに経つのか。
部屋にこもりきりだから、時間の感覚がわからなくなっていた。
けれどまだ5日。
あの光景が脳裏に焼きついている。
お弁当なんて持って行かなければよかった。
名取の義父から助けてくれたお礼をしようなんて、考えたから……
また、涙が流れた。
幹生は困ったような笑みを浮かべて、
あたしの涙をぬぐいベッドに座る。
「ほんとに困ったやつだよ」
「ごめん……」
「そこが好きなんだから、謝らないの」
幹生の優しさに、あたしはまた甘えてる。
勝てないわけだ。
幹生はあたしが、唯一信じている存在だから。