きみとベッドで【完結】


「信じてくれる気になったか?」


「……わかんない」


「そうか。じゃあ、教師を辞める」




え?



驚いて顔を上げそうになったあたしを、


先生はさらにぎゅっと抱きしめてきた。



「生徒と結婚するとなったら、教師を続けることは難しいな。
だから教師を辞めて、別の仕事を探す」


「辞めるって、だって、先生はいまの仕事……」


「教師の仕事が俺にとってのいちばんだった。
そのいちばんが、変わっただけのことだよ」


「なに言って……」


「教師を辞めたって、おまえひとりくらい食わせていける。
こんな俺を旦那にするのは不安か?」




旦那って……




不安って……




返事はどうだと催促されて、


あたしは混乱しながら笑ってしまった。

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