きみとベッドで【完結】
よく見ると、
先生の顔色は真っ青で。
全身が小刻みに震えていた。
「先生、どうしたの!?」
「シキ……悪いんだが」
「なに?」
「なるべく早く、ここから移動しないか」
「え?」
「俺は、高いところが苦手なんだよ……」
今回も、冗談ではないらしい。
でもとても笑えた。
先生を抱きしめ返しながら。
笑うなと怒られても、あたしは笑った。
うれしくて
幸せで。
こんな気持ちで笑えたことは、いままでなかった。
この人なら、
たとえ裏切られることがあったとしても。
変わらず信じていられるような気がした。