きみとベッドで【完結】
俺もなんだか、幸せな気分になった。
「誕生日くらい、別にいいだろ」
「……じゃあどうして、誕生日なんて気にするの?」
「どうしてって……」
そんなことを聞かれるとは思わなかった。
大体こういうのは、女の方が気にするもんだろう。
「生まれてきて良かったって、思ったことなんか一度もないのに」
「シキ……?」
小さな頭をなでると、きみは体を小さく丸めた。
「どうして生まれてきたんだろうとは、いつも思うけどね」
誰かを恨むかのように、シキは声を低くして言った。
それは……
生まれてきたくなかったと、そう言いたいのか?