きみとベッドで【完結】
生まれたままの姿のシキに、手を伸ばした。
急に抱きしめたくなったんだ。
「おいで、シキ」
シキはちょっとびっくりしたような顔をしたあと、
カップを持ったまま、素直に俺の腕の中におさまった。
「おまえはつらい時、ココアを飲んでたのか」
「……うん。子どもっぽい?」
「ちょっとな」
軽く俺が笑うと、シキも笑った。
不意に愛しさがこみ上げる。
抱きしめて、小さな頭にキスを落とした。
「明日は休みだけど、少し仕事してくる。間に合うように店には行くから。楽しみにしてるよ」
シキはなにも答えずただ、
わずかにうなずいた。
これで、よかったんだ。
この選択はなによりも正しい。
俺はこの時、そう信じて疑わなかった。
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