きみとベッドで【完結】
「別にってことはないだろう。その花は?」
「さぁ。お客さんからじゃない? たまにこうやってプレゼント、くれる人いるから」
「ホステスかよ」
つい出てしまった言葉に、俺ははっとして口を押さえた。
シキは立ち止まり、くるりと振り返る。
「悪い。言いすぎた」
「なんで謝るの? ホステスより、娼婦の方が近いでしょ」
なんでもないことのように言って、シキは空を見上げた。
またか……
近づいたと思えば離れていく。
さっきは俺を彼氏だと紹介したと思えば、
今度は赤の他人を見るような目で俺を見る。
俺はあの長髪の男より、おまえの傍に立てていないのか?
とてもじゃないが情けなくて
そんなことは聞けやしない。