マイ・シスター(転機のちから)

そこには小さな女の子が
泣きながら手を振っていた。

何か大声で言っている。

聞き取れない・・・
何を言ってるんだろう・・

女の子がドンドン離れていく・・

手を振りながら悲しい顔で
僕の後を走って来ている。

小さな体と脚で一生懸命に
僕の後を追っかけて・・・

大声で話している。

何を言ってるんだろう??

聞き取れない事に
悔しさを噛み締めながら・・・
女の子にゴメン・ゴメンとつぶやき。
僕は前を向き走り去って行った。

また夢で逢おう。

その瞬間・・
ハッと目が覚めた。

異様なバスの空気で
現実に引き戻された。

もう少し眠りたかったな・・・

今夜もしゆっくり眠れるのなら。

もう一度、
夢で逢えたらいいのに。

そう思いながら
バスの揺れを感じ、

目的地の場所に近づく不安を
かき消していた。
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