危険な誘惑にくちづけを
Ⅴ章
過去のツケ
前に。
わたしが、紫音の薬を飲んで、入院しちゃったとき。
意識無く、眠っているわたしに。
紫音が、ずっとついていてくれていたコトがある。
そして、目覚めて最初に会ったそのときに。
もう絶対。
入院するようなことには、ならなないで、って念を押されたけれど。
今なら、何で、紫音がそんなことを言ったのか、判るような気がした。
目の前の、ただ、ただ白い。
真っ白な病室で、紫音が眠っているのを見て。
……わたしのココロは。
壊れそうに痛んだ。