危険な誘惑にくちづけを
わたしは、加藤先輩の言っているコトが良く判らずに聞き返した。
「……えっと、なんで……?」
もう、紫音も加藤先輩もホストを辞めてしまったから。
それに、紫音は教師も辞めたし、加藤先輩も学校を卒業した今。
特に、趣味が同じ、というわけではない二人は、何の接点もないはずで……。
戸惑っているわたしを見て、加藤先輩は、また頭を掻いた。
「前のバイト先のオーナーの上に、散々世話になった先輩と、連絡を取ってちゃ、おかしいか……?」
「……べ、別に、そんなことはないけど」
一応言った、わたしの返事か気に食わなかったらしい。
加藤先輩は、ますます苦い顔をして言った。
「ま、本当はホスト仲間の同窓会、みたいに会えれば、よかったんだけどな……」
「……違うの……?」
「ああ」
言って、加藤先輩はため息をついた。
「いつか、こんな日が来るんじゃないか、とは思ってたんじゃないかな?
オレが、医療関係の職についたことを知ったからかもしれない。
今までも、紫音さんの方から、時々連絡があったんだ……って言っても、今までは世間話程度だったけれどな」
「……」
そんなコト。
わたしは、全然、知らなかった。
何しろ、わたし。
加藤先輩のコトだって、今まで忘れてたくらいだったし。
「……えっと、なんで……?」
もう、紫音も加藤先輩もホストを辞めてしまったから。
それに、紫音は教師も辞めたし、加藤先輩も学校を卒業した今。
特に、趣味が同じ、というわけではない二人は、何の接点もないはずで……。
戸惑っているわたしを見て、加藤先輩は、また頭を掻いた。
「前のバイト先のオーナーの上に、散々世話になった先輩と、連絡を取ってちゃ、おかしいか……?」
「……べ、別に、そんなことはないけど」
一応言った、わたしの返事か気に食わなかったらしい。
加藤先輩は、ますます苦い顔をして言った。
「ま、本当はホスト仲間の同窓会、みたいに会えれば、よかったんだけどな……」
「……違うの……?」
「ああ」
言って、加藤先輩はため息をついた。
「いつか、こんな日が来るんじゃないか、とは思ってたんじゃないかな?
オレが、医療関係の職についたことを知ったからかもしれない。
今までも、紫音さんの方から、時々連絡があったんだ……って言っても、今までは世間話程度だったけれどな」
「……」
そんなコト。
わたしは、全然、知らなかった。
何しろ、わたし。
加藤先輩のコトだって、今まで忘れてたくらいだったし。