危険な誘惑にくちづけを
「ウソって言うよりは、さ。
この学校の入学式からずーーっと。
春陽にアタックし続けてる、迷惑な莫迦がいるじゃない。
そいつ避けに、話を作ってたのかなって、思ってたの」
迷惑な、莫迦!
水島の言い方は、あんまりだったけれど。
確かに、その。
ちょっと、困った人は……いる。
「佐倉 大樹(さくら だいき)……君のこと?」
わたしが、小声で言うと。
水島は、うん、とうなづいて。
その佐倉君をチラ見した。
少し、鼻が大きめで。
身長なんかは、紫音よりもだいぶ低いけれど。
それでも、十分。
わたしより、拳一つは背が高く、何よりも。
目もとが涼しく、切れ長の和風美男子って感じだ。
そして。
その瞳は、紫音や薫ちゃんみたいに。
いざとなったら戦えるヒトらしく。
時折、強い光を放ってた。
紫音が、ライオンや、トラみたいな。
大型のネコ科の獣王の雰囲気を持っているならば。
さながら。
佐倉君は、シャープな狼だった。
……ただし。
黙っておとなしくしていれば。
この学校の入学式からずーーっと。
春陽にアタックし続けてる、迷惑な莫迦がいるじゃない。
そいつ避けに、話を作ってたのかなって、思ってたの」
迷惑な、莫迦!
水島の言い方は、あんまりだったけれど。
確かに、その。
ちょっと、困った人は……いる。
「佐倉 大樹(さくら だいき)……君のこと?」
わたしが、小声で言うと。
水島は、うん、とうなづいて。
その佐倉君をチラ見した。
少し、鼻が大きめで。
身長なんかは、紫音よりもだいぶ低いけれど。
それでも、十分。
わたしより、拳一つは背が高く、何よりも。
目もとが涼しく、切れ長の和風美男子って感じだ。
そして。
その瞳は、紫音や薫ちゃんみたいに。
いざとなったら戦えるヒトらしく。
時折、強い光を放ってた。
紫音が、ライオンや、トラみたいな。
大型のネコ科の獣王の雰囲気を持っているならば。
さながら。
佐倉君は、シャープな狼だった。
……ただし。
黙っておとなしくしていれば。