危険な誘惑にくちづけを
「言葉通り、そのまんま、だ。
一緒に来た元気な女の子が、彼女みたいだから、大丈夫だろうが。
春陽が、あいつの周りをうろちょろしていると。
つい、ぱく、と食われそうでイヤなんだ」
「食われそうって……」
狼の周りをうろうろ動く、赤ずきんちゃんじゃあるまいし。
思わず笑うと、紫音は思いのほか、真剣な顔をして、わたしを抱きしめた。
「……笑いごとじゃ、ないんだ。
俺にとっては、な」
「紫音」
「春陽。
あんたは、自分がどれだけキレイかなんて、自覚がなさすぎる。
それに、あのガキの名字が親と違うって言うことは……
もしかすると、佐倉は。
春陽の同情を引くような過去を、持っているかもしれない」
「そんな話を聞いたら、わたしが紫音を裏切るかもしれない、と思っているの?」
そう、紫音が本当に思っているなら……
ショックかも。
わたし、紫音が好きなのに。
紫音だけが、好きなのに。
ちょっと同情したからって、すぐなびいてしまうほど。
軽い女の子だと思ってほしくなかった。
それに。
水島を彼女だと思っている、今だってそんな風に心配しているのなら。
実は、佐倉君には、特定の彼女がいない、なんて。
……とても言えない、ね?
一緒に来た元気な女の子が、彼女みたいだから、大丈夫だろうが。
春陽が、あいつの周りをうろちょろしていると。
つい、ぱく、と食われそうでイヤなんだ」
「食われそうって……」
狼の周りをうろうろ動く、赤ずきんちゃんじゃあるまいし。
思わず笑うと、紫音は思いのほか、真剣な顔をして、わたしを抱きしめた。
「……笑いごとじゃ、ないんだ。
俺にとっては、な」
「紫音」
「春陽。
あんたは、自分がどれだけキレイかなんて、自覚がなさすぎる。
それに、あのガキの名字が親と違うって言うことは……
もしかすると、佐倉は。
春陽の同情を引くような過去を、持っているかもしれない」
「そんな話を聞いたら、わたしが紫音を裏切るかもしれない、と思っているの?」
そう、紫音が本当に思っているなら……
ショックかも。
わたし、紫音が好きなのに。
紫音だけが、好きなのに。
ちょっと同情したからって、すぐなびいてしまうほど。
軽い女の子だと思ってほしくなかった。
それに。
水島を彼女だと思っている、今だってそんな風に心配しているのなら。
実は、佐倉君には、特定の彼女がいない、なんて。
……とても言えない、ね?