危険な誘惑にくちづけを
「あら、あたしも行くし。
 一応、名目は合コンだけど。
 参加者が、未成年ばかりだから、一次会の会場はカラオケボックスだってさ」

「……でも。
 全く知らない男のヒトと、いきなり話すのは、ちょっと苦手で……」

「男子の中には、佐倉君も混ざるから、フォローしてくれるし。
 それに、そこで浮気相手を探せってんじゃないわよ?
 楽しくお話して、歌って、気分転換。
 どう?」

 実は、女の子の数が、一人足りなくてさ、と水島は言って肩をすくめた。

「春陽が、参加してくれれば、すごく助かるんだけどね?」

 とも言われて、ココロもちょっとだけ、動いた。

 行こうか、どうしょうか、決めかねて携帯電話をみれば。

 もう、夜に近い夕方だって言うのに、紫音からの着信も、メールも無かった。

 ……本当に、紫音は。

 わたしに連絡もしたくないほど、怒ってるんだ。

 思わず、携帯を握りしめたとき。

 水島が、もう一度わたしを誘った。

「ねぇ~~ 春陽~~」

「……判った、行く」

 わたし、アタマを上げて、唇を噛んだ。

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