危険な誘惑にくちづけを
Ⅳ章
遠方から来たトモダチ
「もう、絶~~対!
佐倉君のお友達とは、合コンしないっ!」
次の日。
水島は、ぷんぷん怒って、わたしに宣言した。
「本っ当に、信じられない~~!
春陽たちが帰った後ぐらいから、佐倉君のお友達ってば、急にエッチなコト始めちゃって!
中には、変なクスリとか勧めるヤツもいたしっ!」
水島には、相当コワいコトがあったらしい。
彼女は、自分の肩を両手で抱いて、ぶるっと身を震わせた。
「春陽は、なんで、先に帰っちゃったのよ~~!
あたしたちも、佐倉君と一緒に帰れば良かったわ!」
「うん……ごめんね?」
そうだね。
わたしも、水島と一緒に帰ってたら、きっと、何も起こらなかったに、違いない。
結局、昨日の夜も、鳴らない携帯を抱いたまま起きていて、ほとんど眠れなかった。
半徹夜が、2日も続いて、わたし自身も、心身共に限界寸前だ。
きっと、真っ青になっているハズのわたしの顔を水島は、覗き込んた。
「大丈夫?
今日は、早退したら?」
昨日の夜は、調子が悪くなったから、先に帰った。
って言う、わたしの言葉に納得して、彼女は心配そうに聞いた。