怖がり少女と吸血鬼


「嫌だなぁ、別に大魔王様に言われてシュウを魔界に連れ戻しにきたとか、でもその途中に美味しそうな血の匂いに誘われてここに来たら偶然シュウとエルがいてビックリー!とかじゃないから安心してよ」

「そうか、よし帰れ」

「シード様、ここに来た目的がバレバレです…」



シュウにクッションを当てられたシードと呼ばれた青年は、機械のようにペラペラとよく喋る。

あたしが呆気にとられていると、ふいにその青年はあたしの方を向いた。



「君、美味しそうだね」


警報警報。

本能が警報を鳴らし、あたしは身を強ばらせる。


本当に、このシードという人も吸血鬼のようだ。

本当にもう、次から次へと…



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