怖がり少女と吸血鬼
「あはは、そんなに怖がらないで。僕はシード。シード・ラフェスって言うんだ」
常に眉間にしわがよっているような黒沢くんとは対照的な、よく笑う爽やかな人だ。
初対面の黒沢くんの時のような恐怖は感じなかった。
見た目も正反対で、綺麗な銀髪に大きい群青の瞳。
黒沢くんがクール系だとしたら、シードさんはおそらく可愛い系だろう。
「冴木…柚子です」
「柚子ちゃんか、よろしく」
そう言ってシードさんは、首をかしげてニコッと笑った。
か、可愛い…!!!
顔が赤くなっている自分に気付き、ばれないように両手で自分の頬っぺを覆い隠す。
「シードさんも、吸血鬼なんですか?」
「うん。シュウとは幼なじみで悪友なんだ、ねっ?」
「俺に振るな」
とか言いつつ、シュウさんもそれを否定しない。