怖がり少女と吸血鬼
あれ?返事がない。


「黒沢くん…?」


あたしはもう一度黒沢くんを呼びながら、彼の顔を覗いた。



「あ…」


そこには、ソファーにもたれながら、すやすやと眠る黒沢くん。


「すみません柚子さん。シュウ様、寝てしまって…」

エイルさんが困ったように苦笑いしながら、ひそひそ声で説明してくれた。


「あ…いえ。
あたしも準備が遅かったので…」


ん"!?
なんであたしが謝ってるの?


元はといえば急に『部屋はどこだ』なんて言うからだよ!

あたしが謝る理由なんて、ないもんね!!
< 83 / 129 >

この作品をシェア

pagetop