怖がり少女と吸血鬼
「お前は自分の立場がわかってんのか?」



ようやく、黒沢くんが発した一言。

いつもより、声のトーンが低いです。


あたしは恐る恐る顔を上げた。


「あたしの立場…?」



「お前は俺様の餌だ。」

「はぁ…」

「俺に食ってもらえることは、凄く光栄なことだ。

そこ、わかっているのか?」



はい?



あたしはポカンとした顔をして、固まってしまった。
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